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pictkura  /  なぜ作ったのか

なぜ pictkura を
作ったのか

写真は好きです。写真整理は、それほどでもありません。

Photo: Wikimedia Commons, CC0

1RAW は撮ります。現像は、ほとんどしません

私は、家族で出かけるときにミラーレスを持っていく程度の人です。

写真は好きです。

写真整理は、それほどでもありません。

RAW+JPEGで撮ります。RAWもちゃんと残します。

こう書くと、帰宅したら現像ソフトを開いて、一枚ずつ露出を調整している人のようですが、ほとんどしません。

JPEGが普通に撮れていれば、それを見ます。

家族に送るのもJPEGです。

何年かあとに見返すのも、だいたいJPEGです。

ではRAWを何のために撮っているのかというと、自分でも少し困るのですが、捨てるのが怖いからです。

ほとんどの場合、RAWファイルは必要ありません。

JPEGが普通に撮れていれば、それで終わりです。

でも、たまにこんな写真があります。

逆光で顔が暗く潰れていた写真。

室内で、窓だけ完全に白飛びしていた写真。

あるいは、撮った当日には何でもなかったのに、5年後に見返したら思っていたよりずっと大事になっていた写真。

その一枚だけは、どうにかしたい。

そういうとき、RAWが残っていると助かります。

問題は、その「そういうとき」が年に何回も来るわけではないことです。

RAW現像のために毎週末を使う気はありません。

かといって、「どうせ現像しないから」と全部消すほど思い切りもよくありません。

結果として、

普段は使わないRAWが、何年分もきちんと保存されています。

ストレージだけを見ると、かなり熱心なRAWユーザーです。

本人にはあまり自覚がありません。

たぶん、pictkura はこのあたりから始まっています。

RAWを活用したかったというより、

RAWを持ったまま、RAWのことを考えずに暮らしたかった。

そのほうが近いです。

2では、何で見ればいいのか

写真を見るだけなら、Windowsにも最初から道具があります。

エクスプローラーでも見られますし、フォトもあります。

もちろん見られます。

ただ、何年分もの写真を見返そうとすると、だんだんつらくなってきます。

JPEGの隣にはRAWがあります。動画もあります。昔のカメラで撮ったものもあります。スマートフォンから来たHEICも混ざります。

本人には全部「家族の写真」です。

コンピューターには、いろいろ事情があるようです。

「2018年の夏休みを見たい」だけなのに、こちらはファイル形式について少し詳しくなっていきます。

それはあまり望んでいた成長ではありません。

では Lightroom のような写真管理・現像ソフトを使えばいいかというと、今度は立派すぎます。

RAWをきちんと現像したい人には、とても良い道具だと思います。

ただ私は、毎回RAWを現像したいわけではありません。

写真に星を付けたいわけでも、作品として仕上げたいわけでもない。

十年前の写真を、普通に開きたいだけです。

どうも私は、

Windowsの標準機能では少し足りない。でも本格的な現像ソフトを使いたいわけでもない。

という、ずいぶん中途半端な場所にいたようです。

カメラとRAWの量だけを見ると、もう少し本気であるべきなのかもしれません。

本人にその予定はありませんでした。

3昔は、もう少し何も考えていませんでした

以前は Sony の PlayMemories Home を使っていました。

少なくとも私の使い方では、それであまり困っていませんでした。

カメラから写真を取り込む。

日付順に並ぶ。

昔の写真も、今の写真も見る。

それで十分でした。

PlayMemories Home と同じものを作りたかった、というわけではありません。

ただ、あの頃は写真を見るために、写真管理についてあまり考えなくて済んでいました。

いま考えると、そこがよかったのだと思います。

自分に合うものを探してみると、意外と難しい。

写真のソフトは、だいたい写真に対して何かをしてくれます。

きれいにする。整理する。評価する。同期する。共有する。

どれも便利です。

私は、できれば何もしないでほしかった。

撮ったものがそこにあって、あとから普通に開ける。

かなり消極的な要求です。

意外と手に入りませんでした。

4では、作るか

そのうち、

「自分が欲しい範囲だけなら、作れるのでは」

と思い始めました。

写真と動画が日付順に並ぶ。

RAWもJPEGと同じように見える。

昔のカメラで撮ったものも、できれば同じ場所にいる。

元のファイルは元の場所に置いておく。

欲しいものは、そのくらいでした。

RAWの現像までやろうとは思いませんでした。

そこまでやると、たぶん私が使わなくなります。

RAWファイルには、カメラ自身が表示用に作った画像が入っています。

普段見るなら、それでいい。

必要な一枚だけ、本当に必要になったときに現像ソフトへ持っていけばいい。

ずいぶん単純なものが作れそうでした。

実際、最初の半日くらいでRAWの中の画像は表示できました。

思ったより簡単でした。

簡単だったのは、その半日だけでした。

メーカーが変わる。年代が変わる。RAWの形式が変わる。

一番大きなJPEGが表示用とは限らない。JPEGの中に別のJPEGがいる。JPEGを一枚も持っていないRAWまである。

仕様を読んで正しく書いたつもりでも、実物がその話を聞いていないことがあります。

写真整理について考えたくなかった人間が、いつの間にかRAWファイルをバイナリエディタで眺めていました。

どこで道を間違えたのかは、まだよく分かっていません。

ともかく、そうしてでき始めたのが pictkura です。

5pict と、蔵

作り始めたころ、名前はまだありませんでした。

これは写真を加工する道具ではなさそうでした。

写真をしまっておいて、必要なときに取り出す。

それなら「蔵」だな、と思いました。

picture と蔵で、pictkura です。

かなりそのままです。

あとから考えると、写真を置いておく場所として蔵は悪くありません。

暗いですし、勝手に中身をいじりません。

必要になったときに、入れたものがそのまま出てくる。

写真も、そのくらいでいてほしい。

なので pictkura も、写真をどこかへ囲い込んだり、勝手に作り替えたりしないものになりました。

名前を決めたあとで、何を作らないかも少し決まった気がします。

6便利なものは、だいたい便利です

作っていると、

「これもあったほうが便利なのでは」

というものが、いくらでも出てきます。

RAW現像。高度な編集。クラウド同期。AIによる分類。顔認識。

どれも便利です。

そして、便利なものを足していくと、だんだん私が使わないソフトになっていきます。

それは少し困ります。

私は写真管理ソフトを使うために、写真管理ソフトの使い方を覚えたくありません。

写真を見るためにログインしたくもありません。

久しぶりに昔の写真を見ようとしたら、その前に何か大きな仕事が始まるのも避けたい。

写真を見に来ただけです。

なので、機能を足すときには、

「あると便利か」

より、

「自分はこれを使うのか」

を考えます。

この判定はかなり厳しいです。

開発者本人が最初のユーザーなので、仕方ありません。

7速くなったのは、せっかちだからです

pictkura はRAWをかなり速く表示します。

最初から高速RAWビューアを作ろうとしていたわけではありません。

待ちたくなかっただけです。

一枚見る。

次へ行く。

待つ。

もう一枚。

待つ。

前へ戻る。

また待つ。

何百枚もあると、こちらのほうが先に諦めます。

なのでRAWを一から現像せず、カメラがすでに作ってくれた表示用の画像を使っています。

結果として速くなりました。

技術的な工夫のようですが、出発点はかなり個人的です。

私は待つのが嫌いです。

ただし、写真を消す操作だけは逆です。

「これは要らない」と印を付けても、その場では消えません。

最後にまとめて確認して、ごみ箱へ送ります。

見るときは速いほうがいい。

捨てるときまで速い必要はありません。

過去の自分については、それほど信用していません。

8たぶん、同じような人へ

作ってから考えると、自分と同じような人は、そんなに珍しくないのかもしれません。

ちゃんとしたカメラは持っている。

RAWでも撮る。

写真も大切にしている。

でも休日のたびに現像ソフトを開くわけではない。

昔の写真も残っている。

その間にカメラが何台か替わっている。

スマートフォンまで加わって、ファイル形式も順調に増えた。

写真フォルダを見ると、趣味というより地層に近くなっています。

私のところもそうです。

整理が完璧だから十年以上残っているわけではありません。

消さなかったので残っています。

思ったより有効な保存方法でした。

pictkura は、それをきれいに整理し直すためのものではありません。

そのまま見られればいい。

もしあなたの写真フォルダも、

人生の途中でカメラだけ何台か替わった結果

のような姿をしているなら、たぶん話は合うと思います。

9最後に、ひとつお礼を

pictkura は、最初は完全に自分のために作ったものでした。

公開したあとも、

「これ、他の人にも要るんだろうか」

ということは、正直よく分かっていませんでした。

そんな中で、Softpedia の Roberto Zamfir さんが pictkura をレビューしてくれました。

4.0 / 5。

pictkura にとって、初めてのレビューでした。

画面や取り込み、Windows標準とは違う写真ブラウザとしての使い方を、ひと通り見てくれていました。

評価も、もちろん嬉しかったです。

でも、それ以上に、

知らない人が本当にダウンロードして、起動して、触って、文章まで書いてくれた。

そちらのほうが印象に残っています。

公開したばかりのソフトは、数字を見ても、その向こう側に人がいるのかよく分かりません。

レビューには名前が書いてありました。

ああ、人がいた。

Roberto Zamfir さん、ありがとうございました。

店の外から入ってきて、最初にちゃんと中を見てくれた人でした。

この先

できることとできないこと、それに実測値はアプリ仕様にあります。使い方は取扱説明書、初回起動の警告の越え方はインストールの手引きです。無料・MIT ライセンスで、ダウンロードに登録も支払いも要りません。合わなければ、写真のフォルダを残したまま消せます。